外壁塗装は、10~15年に1度行うと、建物の老朽化を防ぐことができるといわれています。ただ近所で行われている工事現場の横を通ると、メッシュシートなどで住まいを囲まれて窓も開けられない様子から、一体工事期間はどのくらいなのかと考えることでしょう。
そこでここでは、外壁塗装にかかる期間について解説します。工程を把握し、スケジュールをたてる際の参考にしてください。
1.一般的に外壁塗装にかかる期間とは
建物の大きさや季節、また職人の人数によっても変わってきますが、一般的に外壁塗装にかかる期間は7~10日ほどといわれています。
しかし天候に恵まれず塗料の乾きが悪いと、次の工程に進めず作業が遅れ、期間が延びてしまう場合もあります。
外壁塗装の工事内容をよく知らない方も、下記に解説する工程を知ると7日以上かかる工事であることにもご納得されることでしょう。
1-1.一般的な外壁塗装工事の工程
外壁塗装を依頼した際は、一般的に下記のような工程を踏まえて塗装業者が施工します。
・近隣へ挨拶および足場設置の現場を確認
・足場を組む鉄骨などを運び込む
・足場の設置および飛散防止シート張り
・高圧洗浄をかけ汚れを落とす
・下地処理と養生
・塗装作業(下塗り、中塗り、上塗り)
・完了点検後、足場を撤去
1-2.期間が短すぎる工事は注意が必要!
外壁塗装は高圧洗浄をかけた後や、塗料を塗った後、乾かさなければ次の工程に進めないので、先にも解説したように天候に恵まれなければ期間が延びることはよくあることです。
また最低でも7日はかかるといわれる工事期間ですが、もし業者から期間が短すぎる提案をされた場合は注意が必要です。一般的に想定されている期間より工事期間が短い場合、工程の一部を省き手抜き工事をしている可能性があります。見積書などから、きちんと工程が踏まれているか確認してください。
目安とする期間よりも短すぎる工事に注意をよびかけましたが、逆に長すぎる工事もただ単に日数を引き延ばし、人件費などを加算している場合もあります。
目安とする期間と見積もりに提示された工期を比べて、悪徳な塗装業者を選んでしまわぬように注意しましょう。
2.工程内容とそれにかかる期間について
ここからは、外壁塗装の工程の内容と、それにかかる期間の詳細を解説いたします。それぞれの工程と、その期間が確認しておきましょう。
2-1.近隣挨拶などに1日
外壁塗装工事では、連日、職人さんが出入りします。足場を組む時や高圧洗浄をかける際に、騒音がでてしまい、近隣の迷惑となることもあります。塗料の臭いも気になる点です。
そのため工事を始める前には、近隣のお宅を訪問し、工事期間などを伝える挨拶をします。事前に説明することで、近隣の方とのトラブル回避にも繋がる作業の1つです。
同時に足場を設置する現場の確認を行います。近隣の方への挨拶と現場の確認に1日要すると考えておきましょう。
2-2.足場を組むのに1日
近隣の方々への挨拶が済んだら、いよいよ作業開始です。まずは職人さんが安全に効率よく作業するため、建物の周りに足場を組み立てます。
足場の資材は前日もしくは当日の早朝に運び込みます。同時に高圧洗浄の洗浄水や塗料の飛散を防ぐための、飛散防止シートを足場(建物)の周りに張ります。ここまでの作業で基本的に1日要します。
足場の設置は国家資格をもつ専門職であるため、塗装業者とは別に、関連会社の足場業者に依頼することもあり、その場合は2日かかる場合もあると考えておいてください。
2-3.高圧洗浄に1~2日
足場を設置したら、高圧洗浄で外壁の汚れやホコリを洗い流します。洗浄した後、乾燥させなければ次の工程に進めません。
乾燥しやすい季節であれば1日あれば十分ですが、天候に恵まれない場合や汚れがひどく手作業などを要する場合は、期間が延びることも考えなければなりません。
2-4.下地処理と養生に2~3日
下地処理というのは、塗装前に古い塗装膜を整えたり、ひび割れしている個所を補修したりする作業です。
劣化が少なければ1日で終了しますが、外壁の劣化がひどければ、その期間が延びてしまうこともあります。
同時に下地処理が終了した後に行う養生とは、窓ガラスの周囲やエアコンの室外機などに塗装がつくのを防ぐため、保護シートやテープを張る作業です。養生に要する期間は、下地処理の期間に含んで考えて問題ありません。
2-5.塗装作業に3~5日
メインとなる塗装作業は、基本的には下塗り、中塗り、上塗りの3工程で行います。それぞれ1日ずつ期間を要すると考えていればよいでしょう。
ただし、それぞれの工程において塗料がしっかり乾燥しなければ次に進めません。また劣化のひどい外壁の場合は下塗りを2回行う場合もあります。
一番天候に左右されやすい工程であり、この工事のメインとなる作業であるため、目安となる3日間のほかにも予備日を考えておいたほうがよいでしょう。天候などを考慮し1~2日予備日を考えて、3~5日の期間を要する工程だと考えておいてください。
2-6.仕上げの工程に1日
塗装作業が終了した後は、雨どいや戸袋などの付帯部分の塗装作業を行います。塗装業者によっては、付帯部分の塗装は別途料金となり、外壁塗装に含まれていない場合もあるので、見積もりの時点で業者に確認してみましょう。
塗装作業の終了した時点で、業者の責任者が各所をチェックします。この時修正箇所があれば手直しを行います。
2-7.足場の撤去に半日
問題なければ後片付けをし、翌日、足場を解体し工事終了となります。基本的に工事が終了した翌日の午前中、2時間くらいで終わります。
解体された後は近隣の方に、工事終了の挨拶をしておくと良いでしょう。
3.屋根の塗装はプラス3~4日
外壁塗装をする際に、屋根の塗装工事も一緒に依頼することがよくあります。その理由は、一緒に行えば、一つの足場で両方の塗装工事ができ、足場の設置代を節約できるからです。
同時に養生を新たにしなくでもよいので、その時間も代金も節約できます。屋根の塗装も行う場合は、外壁塗装工事の期間にプラス3〜4日要すると考えておきましょう。
4.まとめ
およそ7~10日期間を要する外壁塗装は、天候に左右されやすい作業なので、施工する季節によって期間が変わってくるのはよくあることです。塗料が乾きやすい最適な季節は、業者も繁忙期を迎え、予約が埋まりがちとなるため、期間を考えた上で早めに計画を立てることをおすすめします。
連日の作業になるため、近隣の方への挨拶や、職人さんとコミュニケーションをしっかりととって、スムーズに作業を進めてもらってください。