長年、家に住んでいると住宅の外壁の塗装が剥がれてきます。どうにかDIYで補修することはできないか、お悩みの方もいらっしゃるでしょう。業者に依頼せずに、DIYで外壁塗装するかどうかを判断するためには、外壁塗装について理解しておくことが大切です。この記事では、DIYで外壁塗装するメリット・デメリットや、外壁塗装の手順をご紹介します。
1.外壁塗装をDIYで行うメリット・デメリット
まず、外壁塗装をDIYで行うメリット・デメリットを確認しましょう。
1-1.メリットについて
メリットは業者に依頼するのに比べて、費用が安くなるということです。また、スケジュールも業者に合わせる必要がなく、自分のスケジュールに合わせて行うことできます。
1-2.デメリットについて
デメリットは高所の塗装は危険を伴うという点です。また、下地に届いているようなヒビが入っている場合は、業者に依頼した方が無難です。専門知識のない人が塗装をすることになるため、失敗もあり得ます。失敗した場合は、やり直すことになり、費用がさらにかかります。最初から業者に依頼しておけばよかったと後悔しないように、しっかりと作業工程を確認しておく必要があるでしょう。
2.外壁の塗装をDIYで行うための手順
外壁塗装のDIYはどのように行うのか、手順を確認していきましょう。
2-1.道具を揃える
外壁塗装のために、まずは下記の道具を揃えなければいけません。ホームセンターで売られています。
●家庭用の高圧洗浄機・ブラシ・中性洗剤
塗装前に、外壁の汚れを落とすために用います。汚れが落ちにくいところは中性洗剤を使用します。
●養生テープ
塗装しない箇所を布や板で養生するために使用します。
●サンドペーパー
紙やすりです。外壁の錆を落とすのに使用します。
●コーキング材
サイディングボードの隙間や窓ガラスのサッシの縁の隙間を埋めるのに使用します。
●ローラー・ハケ
外壁に塗料を塗るための道具です。
●下塗り用の塗料
塗料と外壁の密着度を高めるために、下塗りをする必要があります。DIYでは、シーラーと呼ばれる塗料がおすすめです。
●上塗り用の塗料
下塗り用の塗料が乾いた後に上から塗る塗料です。
道具が揃ったら、いよいよ塗装の準備に取り掛かります。
2-2.足場を設置する
高所を塗装するために、足場を設置する必要があります。足場の設置は必ず専門の業者に依頼してください。また、足場の設置の際は、音が出ますので、近隣には事情を説明しておくとトラブルを避けられるでしょう。
2-3.外壁を洗浄する
高圧洗浄機で、外壁の汚れを落としていきましょう。角などやカビ、コケが生えているところは中性洗剤を使って、ブラシでこすります。外壁の汚れをしっかりと落としておかないと、塗料が密着しにくくなります。とても大切な工程なので、しっかりと洗浄しましょう。また、洗浄後は乾燥させる必要があります。次の工程まで、最低でも1日は時間を空けないといけません。雨が降れば、さらに期間は延びます。
2-4.塗装しない箇所を養生する
塗装しない箇所を布や板で覆う作業を養生と言います。面倒な作業ですが、これを怠ると塗装しない箇所にも塗料がついてしまう場合や、塗料がつかないことに意識を向けてしまい、仕上がりにムラができる場合があります。
2-5.下地処理をおこなう
ヒビ割れの補修や目地の補修を行います。小さなヒビや欠けたところは、コーキング材を使用して処理をしていきます。コーキング材で充填した後は、サンドペーパーで表面を磨きます。この下地処理がきちんとできていないと、うまく塗装できず、失敗の原因となります。ヒビ割れがたくさんあるような場合は、業者に依頼する方が無難です。
2-6.下塗りをする
下塗りは外壁と上塗り塗料の密着性を高めるために行う作業です。下塗りが不十分だと、上塗り塗料を塗った際に、ムラが出たり、塗料がはがれやすくなったりします。角などの細かい部分はハケを使って塗りましょう。それ以外の広いところはローラーを使用して塗ってください。
塗り終えたら最低1日は乾燥の時間を設ける必要があります。次の上塗りの工程の前に、下塗りの塗料が完全に乾いている必要がありますので、しっかり確認しましょう。
下塗り塗料はシーラーという塗料をおすすめします。フィラーという塗料もありますが、粘性が強く、専門知識がなければ扱いにくいでしょう。シーラーには水性と油性があります。水性は壁に傷のないところで使用してください。油性は壁に染みにくいため、ひびが入っている箇所に使用するようにしてください。
2-7.上塗りをする
上塗りは同じ塗料で2回行います。1回目の上塗りを中塗りと言うこともあります。2回塗り理由は、見た目がよくなり、塗り残しもなくなるからです。また、2回塗ることで分厚くなるため、剝がれにくく、耐用年数も長くなります。1回目を終えたら、最低1日空けて乾燥させ、2回目の作業に入ります。
上塗りの塗料はいろいろあります。DIYで使いやすいものを下記に紹介します。
アクリル…色の種類も豊富で、費用が安いのが特徴です。扱いやすくDIY向けですが、耐用年数は3年~8年と短めです。
ウレタン…弾性、伸縮性があります。紫外線には弱く、耐用年数は5年~10年ほどになります。
シリコン…耐熱性、耐水性があり、外壁塗装では最もよく使われます。耐用年数も7年~12年と長めです。
2-8.足場の解体を業者へ依頼する
最後に業者に足場の解体を依頼して、塗装の全工程が終了になります。
3.外壁塗装をDIYで行うのは難しい
外壁塗装は、紹介してきたようにさまざまな工程を経て行われます。そのため、外壁塗装をDIYで行うは基本的には難しいと考えておいた方がよいでしょう。一部の工程だけであれば自分で行うことが可能な場合もありますが、全工程を専門知識がない人が行うのは至難の業です。
また仮に全工程を自分でできたとしても、仕上がりはプロが行ったものとは比較にならないようなこともあるでしょう。自分で行う場合はどの程度自分でできるかを考えて、必要に応じて一部、または全部をプロにお願いするのが無難です。
4.まとめ
外壁塗装は、すべてをDIYで行うのは難しいでしょう。とくに丁寧な塗りの作業や、足場の設置・解体などは業者に依頼することがおすすめです。高所の塗装は危険を伴うものです。自分でできる範囲はDIYでするのか、すべて業者に依頼するのか、よく検討することをおすすめします。失敗のない塗装をするために、作業スケジュールなども考えて、後悔のない外壁塗装をしてください。